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敷地は緑豊かで閑静な住宅地で、丘陵地の一番高い部分に位置しており、見晴らしの良いロケーションとなっている。
築18年の既存建物は外壁の木材が劣化しており、また、こどもが独立し、夫婦二人暮しとなったことより、外壁の断熱性を高めた性能アップと趣味を満喫できる間取りへの変更の要望があった。
既存建物は、屋上にプールのある2階建ての住宅で、特注で作られたキッチン、暖炉、OSBの内壁などこだわりのあるを素材や機器が使われている。一部劣化はしているものの、少しのメンテナンスで十分使える状態であり、内部については出来るだけそのまま活かすことが望ましいと考えた。一方、外壁に関しては劣化が激しく、断熱性についても十分ではなかったため、外から外壁を剥がし、断熱材を充填しながら、素材をメンテナンスのしやすいガルバリウム鋼板へと変更した。
施主は当初の外観を気に入っていたため、素材はガルバリム鋼板に変わったが、当初の建物の風合いを踏襲するよう心掛けた。
1階部分は3つの寝室があったが、それを一体化することで北側の庭と南側の庭の両方に接する居室に変更し、その真ん中に欄間付きのWCLを設置し、それぞれの庭から採光、通風が得られる寝室へと改修した。WCLで緩やかに区切られた寝室は南側が主寝室、北側がゲストルームとなっている。
また、1階には炉の切られた和室があったが、施主の生活スタイルではあまり利用されていなかったため、隣接する納戸と一体化し、防音壁と防音扉で新たに囲い、音楽室兼シアタールームへと新たな用途を加えた。
1F浴室は防水から遣り替え、メンテナンスのしやすい大判タイルとFRP防水の仕上げに改修している。
地面に接する1Fフローリングは断熱材を充填しながら新しく張り替え、2F、PHの床フローリングは窓際の傷んだ場所のみフローリングを張り替えた。屋根面の天井も断熱材を充填しながら更新し、建物の外周は全て断熱材が充填され、建物全体の断熱性を上げている。1〜3F内壁のOSBは変色した部分のみ既存部分と合わせて、補修塗装をしている。また、キッチン含む内部の家具は汚れが目立つ部分のみ既存と合わせて塗装を行なった。
既存建物のデザインの良さを生かしながら、最小限の間取り変更と省エネ性、メンテナンス性を上げる改修を行なうことで、夫婦が友人や家族と趣味を楽しめる、冬暖かく、夏涼しい住宅へと生まれ変わっている。
所在地/東京都
規模/地上2階、塔屋1階
延床面積/234.98m2
構造/鉄骨造
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