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敷地は自然豊かで海が望める、広々とした邸宅街に位置している。
その一画の築35年の既存建物を、海の望めるロケーションを最大限に生かした週末住宅へとリノベーションした。

既存建物は、プール付き平家の邸宅で、当時としては最新の設備やアルミサッシ、こだわりのあるを素材が選定されている。それらは老朽化はしているものの、メンテナンスを行えば十uc2 分使えるものもあり、雰囲気のある素材などは、出来るだけそのまま活かすことが望ましいと考えた。

ただ、この敷地の大きな魅力である海への眺望は、老朽化したウッドデッキや、視線を遮る植栽、外構uc2 フェンスによって阻害されており、十uc2 分にその魅力を活かしきれていないと感じた。そのため、それらを撤去し、新たに、タイル貼uc2 りの広々としたテラスを、LDKから既存のプールへと連続させ、更に、外構uc2 フェンスを傾斜したガラス手摺に変更することで、海へと繋がる眺望を最大限に活かす改修を行っている。

また、もう一つの課題であった既存建物へのアプローチ部分は、高い木々に囲まれた階段によって、少し薄暗い雰囲気を持っていた。それらの樹木や階段を撤去し、新たに、コンクリートステインにより着色されたRC壁を設置することで、邸宅街から建物へのアプローチとしての顔となる形状に変更し、そのRC壁からの跳ねだし階段を通って建物へと入り、統一されたタイルと五郎太石が敷き詰められたポーチや玄関を、徐々に上がりながらLDKへと繋がることで、海への眺望へと連続するアプローチ空間となるように改修している。

寝室は、内装を雰囲気の明るい素材に更新し、LDKの床は、既存の無垢フローリングを研磨して再利用している。既存のキッチンは、テラス向かって後ろ向きの配置であったため、海への眺望が開けるアイランド型の配置へと変更している。また、水廻りは、白いタイルを基調として、ガラス間仕切りなどを利用しながら、明るいバスルームへと改修している。

既存建物や、敷地が持つポテンシャルを、最小限に新たな物を付加することで最大限に活かし、週末にそこに訪れた人々が、高揚感がありながら建物が持つ経年変化の味わいを感じれられる、居心地の良い週末住宅へと生まれ変わっている。

所在地/神奈川県
規模/地上1階
延床面積/366.19m2
構造/木造